若年層に広がる「マイホーム志向」ーZ世代が家を持ちたい理由とは

20代の持ち家率、過去最高に

20代の持ち家率がこの20年で約2倍に増加しています。総務省の家計調査によると、29歳以下の持ち家率は2023年で35.2%と過去最高を記録。

この数字は、現代の若年層が「住まい」に対して抱く価値観の変化を象徴しています。

かつては「若いうちは賃貸、家庭を持ってから持ち家」というのが一般的でしたが、今やその常識は崩れつつあります。

今回は、なぜ若年層の間で“マイホーム志向”が高まっているのか、その背景を探ってみたいと思います。

目次

今どきの若年層が家を買う理由

20代を中心とするZ世代の持ち家志向は、これまでの世代とは異なる価値観と社会背景のもとで形成されています。

彼らは、幼い頃から景気の停滞や物価上昇、不安定な雇用といった現実を肌で感じながら成長してきました。そのため、将来に対して慎重で堅実な姿勢を持ち、「家を持つこと=生活の安定」と考える傾向が強いのです。

特に、「家賃を払い続けても資産が残らない」ことへの違和感や、「早めに住宅ローンを完済して老後の不安を軽減したい」という合理的な考え方が浸透しています。単なる“夢のマイホーム”ではなく、“将来への安心を形にする手段”として持ち家を捉える姿勢がうかがえます。

また、Z世代の住まい観を語る上で外せないのが、コロナ禍による価値観の変化です。

リモートワークや在宅勤務の普及により、家は「生活の場」から「働く場所」「自己表現の場」へと役割を広げました。さらに、SNSやYouTubeで自分のライフスタイルを発信する文化が定着したことで、「自分らしい暮らしを実現できる家」への関心が高まっています。

彼らはデジタルネイティブとして、高い情報リテラシーを持ち、多様な価値観に触れてきた世代です。

そのため、「家を持つ=所有欲の満足」ではなく、「自分らしい生き方をデザインするための手段」として住まいを位置づけています。

“家を持って一人前”という従来の価値観よりも、より柔軟で個人主義的な発想が根づいているのです。

つまり、Z世代の持ち家志向は「安定志向」と「自己実現志向」の両立が特徴。

経済的な合理性を重視しつつも、自分の価値観やライフスタイルを反映できる家を求める姿勢が際立っています。

この世代の台頭は、今後の住宅市場に新たな風を吹き込み、“住まいのあり方”そのものを変えていく可能性を秘めています。

Z世代のライフスタイルと価値観

いわゆる、Z世代(1990年代後半〜2010年代初頭に生まれた世代)は、インターネットやSNSとともに育った“デジタルネイティブ”として特徴付けられています。

そんな彼らのライフプランは、従来の「安定・所有・終身雇用」を軸とした生き方から大きく変化し、「多様性・柔軟性・自己実現」を重視するスタイルへと進化しています。

価値観の中心は「自分らしさ」

Z世代の生き方の根底にあるのは、他人と同じであることよりも自分らしさを貫くこと。

「こうあるべき」という社会の型にとらわれず、自分の興味や信念を軸に人生を設計する傾向が強く見られます。

仕事も「生活の糧」というより「自己表現の手段」として捉え、やりがいや楽しさを重視し、転職や副業にも積極的で、企業に依存せず自分のスキルを活かして働く意識が広がっています。

経済的にも“現実主義”

Z世代が社会に出た頃、日本は非正規雇用の増加や物価上昇、年金制度への不安など、将来を見通しづらい時代でした。

そのため、彼らは早い段階から投資や貯蓄などの資産形成に関心を持ち、NISAやiDeCoを活用する人も増えています。

また、「コスパ(費用対効果)」や「タイパ(時間対効果)」を重視し、過度な消費よりも必要なものを効率よく楽しむという合理的なライフスタイルが定着しました。

“所有するよりシェアする”という選択も、ごく自然な考え方となっています。

住まいと人生の新しい捉え方

住宅や結婚といった人生の節目に対する考え方も変化しています。

「結婚して家を買う」という従来の人生設計にこだわらず、「自分のペースで生きる」ことを優先する人が増加。

また、男女問わず共働きを前提にし、家事や育児を平等に分担する価値観が浸透しているのもZ世代の特徴です。

社会・環境への意識も高い世代

Z世代は社会的な課題への関心も非常に高く、環境問題やジェンダー平等、SDGsへの意識が強い世代です。

企業やブランドを選ぶ際にも「社会的姿勢」や「倫理性」を重視する傾向があり、社会貢献型の仕事やエシカル消費を日常の一部に取り入れています。

こうした“社会と調和する生き方”が、彼らのライフプランにも色濃く反映されています。

デジタルが支える新しい働き方

テクノロジーと共に生きてきたZ世代にとって、オンラインは生活の延長線。

副業・フリーランス・クリエイター活動など、デジタルツールを活用した働き方を積極的に取り入れています。

その結果、仕事と生活が融合した職住一体型ライフスタイルが広がり、地方移住や海外リモートワークといった“場所にとらわれない生き方”も現実的な選択肢になっています。

これからの時代をつくる価値観

Z世代のライフスタイルを一言で表すなら、

「安定より柔軟」「所有より体験」「他人基準より自分基準」。

変化の激しい時代の中で、自分の幸せを自ら設計し、社会と調和しながら新しい価値を生み出す彼らの生き方は、

これからの時代のスタンダードになるかもしれません。

20歳代が好む、お家の特徴をまとめる

デザイン・外観の特徴

・シンプルでミニマルなデザイン(余計な装飾を排除)

・ナチュラルモダンや北欧テイストの外観

・淡いトーン(グレージュ・ホワイト・アースカラー)を基調とした外壁

・自然素材(木・石・塗り壁など)を活かした質感重視の仕上げ

・コンパクトながらも洗練されたシルエット

・グリーンや植栽を取り入れた外構デザイン

・SNS映えするフォトジェニックな外観・照明演出

内装・空間構成の特徴

・開放感のあるリビング(吹き抜けや高天井など)

・LDK一体型のゆるやかな空間設計

・回遊動線や家事動線の工夫(共働き・在宅ワーク対応)

・家族や友人とつながるオープンキッチン

・コンパクトながらも収納効率の高い間取り

・ワークスペースやスタディコーナーを設置

・趣味部屋・推し活スペース・撮影スペースなどの多目的空間

・将来的に間取り変更が可能なフレキシブル設計

・玄関近くの手洗い・シューズクロークなど衛生・収納機能重視

・室内干しスペースやランドリールームの充実

性能・機能性の特徴

・高気密・高断熱の快適な住環境(省エネ志向)

・太陽光発電や蓄電池を導入した“自家発電型”住宅

・全館空調・床暖房・換気システムなど健康的な空気環境

・スマートホーム対応(IoT家電・スマートロック・音声操作など)

・ZEH(ゼロエネルギー住宅)への関心

・防災・停電対策(非常電源・貯水設備)

・メンテナンス性の高い外壁・設備材の採用

ライフスタイル・価値観の反映

・自分らしい暮らしをデザインできる自由設計志向

・「所有」よりも「居心地」を重視

・家を“資産”よりも“自己表現の場”として捉える

・家での趣味・リモートワーク・撮影・配信などに対応できる空間

・サステナブル・エシカル志向(再生素材・省エネ設計)

・コンパクトでも豊かに暮らす「小さな家」志向

・自然と調和する暮らし(庭・デッキ・家庭菜園など)

・ペットや植物と共生できる住まい

・自然光・通風・香り・音など“感覚的な心地よさ”の重視

・モノを減らし、空間の余白を楽しむライフスタイル

立地・環境に対する好み

・都心よりも郊外・地方都市のコスパ重視型立地

・駅近よりも「静かで落ち着いた住宅街」志向

・カフェや公園が近い“暮らしやすい街”を選ぶ傾向

・敷地に駐車スペース・小庭・ウッドデッキなどを希望

・コミュニティとの程よい距離感を保てる環境

購入・資金面での考え方

・コスパと将来性を重視(無理のない返済計画)

・初期費用よりも「ランニングコストの安さ」を評価

・中古+リノベーションも選択肢に入る柔軟な考え方

・長期的な資産価値・メンテコストも考慮した“自分の資産に”という合理的発想

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