売却価格を知る方法
「不動産の価格はどのようして決まるのか?」について考えてみましょう。
不動産も他の一般諸財と同様に、売主と買主(供給者と需給者)が希望する金額が一致したときに売買が成立し、価格が決まります。
しかし、不動産は相互に代替性がない(一品物)であるため、証券市場のように不特定多数者が参加して値段を決まるような市場が存在しません。
価格は基本的に個々人の相対取引(売り手と買い手との1対1の場合の取引で当事者同士で「価格」「数量」「決済方法」を決めてから行う取引)で決まります。
なのでそもそも「定価」というものはありませんが、しかし不動産市場というものは存在します。
①不動産の価格に影響を与える要因
・国内の不動産の価格全般に影響を与える要因〔一般的要因〕
世界情勢も含めた、政治、経済の状態、金利の動向、法制度、人口動態や社会動態、気候等、国内全体の不動産の価格に影響を与える要因です。
・特定の地域内の不動産の価格に共通の影響を与える要因〔地域要因〕
地域要因とは、都市や街単位で、規模、構成の内容、機能などにわたる各地域の特性を形成し、その地域に属する不動産の価格の形成に全般的な影響を与える要因を言います。
つまり、地域レベルで地域の価格水準に影響を与える要因ということです。
・その不動産の個々の要因〔個別的要因〕
個々の不動産の属する地域の価格水準を基礎に、その価格を個別具体的に形成する要因です。
個別的要因は、土地、建物などの区分に応じて分類する必要がある。
土地なら、地勢や地質、地盤、日照、間口、奥行、地積、形状、高低、接面街路との関係
建物なら、建築年月、間取り、設備、仕様、面積、構造、維持管理の状態
等です
②不動産の価格(実勢価格)
実勢価格(或いは相場)とは、その時点の不動産市場において実際の不動産取引で売買された価格のこと、もしくは同様の市場環境でその不動産が直近の時点で売却できるであろうと推定できる価格。
当然、ある程度の価格帯が想定されます。
不動産の売買は、当事者それぞれの事情において取引が行われますが、個々の取引事情は守秘義務の関係上明確にされない(証券市場のような開かれた市場ではない)ためです。
所有している不動産についての相場を知る方法といえば、不動産会社に査定を依頼するのが一般的です。
その地域の地域ごとの相場や売買価格の情報ストックはあるので、地域ごとの不動産の価格帯や変動の状況を把握することができます。
自分である程度の相場を調べたいのであれば、インターネット広告や不動産価格指数、市場動向などの資料を活用するとよいでしょう。
不動産取引価格情報(国土交通省)https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
③不動産の価格(公的評価額)
国や都道府県、市町村などが、土地の適正な価格を一般に公表するための評価です。
具体的には、地価公示制度(公示地価)や地価調査の制度(基準地価)課税のための評価を行っています。 相続税や贈与税の根拠とするための相続税標準地の評価もあります。
主な公的土地評価についてはこのようになります。
・地価公示
標準的な土地についての正常な価格を一般の方々にお示しするものです。
実施機関:国土交通省土地鑑定委員会
価格時点:毎年1月1日時点(3月公表)
詳しくは→地価公示、ここがポイント地価公示、標準地・基準地検索システム
・都道府県地価調査
標準的な土地についての正常な価格を一般の方々にお示しするものです。
実施機関:都道府県知事,/p>
価格時点:毎年7月1日時点(9月公表)
詳しくは→都道府県地価調査、標準地・基準地検索システム
・相続税評価(相続税路線価)
実施機関:国税庁・国税局長
価格時点:毎年1月1日時点(7月公表)
評価水準:平成4年以降は地価公示の水準の8割程度
詳しくは→路線価図等の閲覧コーナー(財産評価基準書)
・固定資産税評価(固定資産税評価額)
実施機関:総務省・市町村長
価格時点:1月1日時点(3年に1度評価替)
評価水準:平成6年以降は地価公示の水準の7割程度
詳しくは→総務省HP
土地総合情報システム(国土交通省)https://www.land.mlit.go.jp/webland/
全国地価マップhttps://www.chikamap.jp/